ジョギングで肩こり解消

「走ることで肩こりから解放される」、そんなお話です。乳酸がどうのこうの、サルコメアがどうのこうのなどという難しい話は一切出てきません。肩こりでマッサージに大金を費やしている皆さま、是非、ご一読ください。

 

悲惨な身体の私

マッサージに週1回以上の割合で通っている、そんな方は多いのではないでしょうか?私も30代のころは、その一人でした。結婚したのが32歳、それまでほとんどマッサージを利用したことはなったのですが、家内の影響で、ご近所のあるいはスーパー銭湯に併設されているマッサージに頻繁に通うようになりました。お値段は、当時、すなわち20年以上前の話になりますが、10分1,000円くらいが相場でした。1時間マッサージをしてもらうと、今から思うに大変な出費になります。インスタント麺日清焼きそばが、なんと60個以上も買えてしまいます。その時のマッサージに費やしたお金を貯金していたら、とふぉ、とふぉ、とふぉふぉ。

 

当時の身体は、私の感覚でデブデブでした。全く運動をしなかったせいで、完全になまっていました。ポテトチップスをはじめとするスナック菓子の食べ放題、アイスクリームも大好きです。お昼ご飯は研究室の学生さんとおかわり自由のお店巡り、これじゃ太ります。加えて、みんなで横浜中華街に遠征したこともありました。行くたびに3軒で食事するのがデューティーでした。もちろん、お腹はパンパンです。当時の私の身体をお伝えするための客観的指標となる数値で申しますと、胴回りは20代後半から10cmくらい大きくなった85cm、体重は我が人生史に残る65kg(今は、60kg以下)です。あまり気にかけていなかったので正確に覚えていませんが、最高血圧は140を常に超していたと思います。重い体がどれだけ日常生活、いや研究者生活に影響を及ぼすかというと、階段の上り下りの時に如実に現れます。居室とメインの実験室は、最上階の12階に位置していました。低温室と呼んでいましたが、一年中4℃に保たれている私の作業部屋が6階です。エレベーターはもちろん使えますが、1日に何度も何度も昇り降りするので、階段を使う場合が出てきます。ハー、ハー、ハー、息切れを起こしながら一生懸命昇ります。途中で休憩を挟まなければ頂上にたどり着けないときも、しばしばです。

 

痛くて痛くて起き上がれない

9月23日(秋分の日)、忘れもしませんが、その日はうるう年のため平日でした。抽選に当たり、あこがれの横浜球場を借りることができました。そこで、研究室対抗の野球の試合です。私は小学校から野球をやっていたので、守備位置はサードです。3番、サード、長嶋なので、サードは名誉あるポジションでした。その日も重い身体ながら、自分では軽快に試合に参加したつもりでした。終了後は、もちろん横浜中華街で会食です。ここまでは、まあ、よくある話ですが、不幸は2日後の25日にやってきました。その日は、学会参加のためインドのバンガロールへ向けて出発する日でした。そのため、成田空港まで行かねばなりません。ところがで、朝起きてみると、全身に恐ろしいまでの激痛、生まれて初めて経験した全身筋肉痛です。運動から2日後に襲ってきました。2日後の痛みから、日ごろの運動不足がよくわかります。それでも、成田空港まで行かなくてはなりません。それはそれは、大変な思いをして成田空港まで、やっとたどり着くことができました。インドの学会ではハプニングの続発でしたが、書いていると別の話題になってしまいます。そこで、1つだけ書かせていただきます。学会期間中に、インドでペストが発生しました。そりゃ、世界中大騒ぎです。帰りの飛行機では、中継地に降りるたびに白い粉の洗礼です。帰国後、お腹は痛かったものの、何事もなく研究に復帰することができました。しかし、誰一人として私のインド土産を受け取る人はいませんでした。

 

ハーフマラソンに出場することを決めてから

きっかけを書き出すと暗い話になりますので、今回は止めておきます。

ある時、マラソン大会に出場することを決意しました。最初からフルマラソンを走り切ることはできないと思っていましたので、ハーフマラソンへの出場です。当時、私が住んでいたところの近くには、川が流れていました。両側が舗装されており、ジョギングするにはもってこいの場所です。そこで練習開始、中学校で駅伝選手に選ばれるくらいでしたので、それなりに長い距離を走ることに抵抗はありませんでした。それでも、最初はなかなか走れません。徐々に、距離ではなく時間を伸ばしていきます。なぜならば、30分以上連続して運動をすると脂肪が燃えだすという情報をどこからか入手していたからです。ネットで今、調べてみますと、20分以上となっているものもあるようです。当時の私は30分以上の運動、すなわち、30分以上走り続けることが第一関門でした。10分、20分、そして30分と何日も何日もかけて、時間を伸ばしていきました。大体、週に2~3回のペースで、早朝にジョギングをしていました。30分をクリアーすると、次の目標の1時間が見えてきます。多分、3か月くらいかかったでしょうか、1時間達成です。ハーフマラソン完走のおおよその目安が2時間くらいでした。1時間から2時間に向けて、さらに早朝ジョギングを続けました。初めて大会に出場したのが、走り始めてからから2年後くらいです。初ハーフマラソンは、2時間以内で無事に完走です。

 

それでは、肩こり解消のはなし

このジョギングを続けているうちに、自然に肩こりが解消し、マッサージに通うことはなくなりました。もんでもらうと、気持ち良いというよりも痛いという思いに変わりました。足の筋肉が立派に引き締まったのは当然なのですが、肩の方もだいぶ筋肉が付いたように思います。作家の村上春樹さんは、マラソン大会に毎年出場するようなアスリートです。北海道で開催された100kmマラソンも完走されています。その時には、足もさることながら両手首が痛くなったそうです。頻繁に走っている方はわかると思うのですが、ジョギング中に手を振ることが非常に重要です。私の場合、スピード上げるときは、手を振る速度を上げることを意識します。よって、長い時間を走ることができるようになると、その分両手を動かす、すなわち肩の筋肉がほぐれ、自然に肩こりから解放される、そんな理屈だと思います。ご興味のある方は、挑戦してみてください。いきなり長距離に挑戦するとすぐに挫折しますので、時間をかけて、ゆっくりゆっくり、私のように時間を伸ばしていくことがお勧めです。

 

お勧めのトレーニング法

ラソンやジョギング関係の本は、時々、立ち読みしていました。そこで、学んだのがLSDです。なんか活字は不吉ですが、LはLong(長い)、SはSlow(ゆっくり)、DはDistance(距離)です。ながく、ゆっくり、走りましょうというメッセージですね。私の場合、3時間走る場合は、途中でコンビニに寄ります。冬場だと肉まんをホットカルピス飲みながら食べます。寒い冬の温かな肉まんはたまりません。よく、ジョギングしている途中で何か食べると横っ腹が痛くなるようなことを言われますが、私は痛くなったことがございません。また、観光地に出かけたときは、長時間ジョギングで観光地巡りをするのも楽しみの一つとなっています。国内だと、横浜、名古屋、富山、京都、下関、福岡、外国ではボストン、マンハッタン、ロンドン、メルボルンなどの市内2~3時間のジョギングをしたころがあります。途中で写真を撮りながら、早朝に観光名所を巡りました。

 

おまけ

長距離が走れるようなって一番良かったことは、311の震災の時でした。交通機関が麻痺し帰宅難民が続出した時も、私には足があります。なので、電車が止まってしまいましたが、全く困りませんでした。これをお読みの皆さん、ジョギングして肩こりから解放されましょう!そして、いざという時に備えましょう。

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早朝ジョギングしている公園から見える風景