もっと腰を入れろ、元大学教授

 

そんな声が聞こえてきそうな、私の農作業姿です。まず、服装がなっていません。半袖に短パンは、農業を甘く見ています。なんといっても、ひ弱な腰使い。こうやって改めて写真で自分の姿を見ると、本当に情けないです。このブログの成長とともに、私の腰使いも立派になるのでしょうか?

 

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腰が入ってないぞ

下準備、草刈り

大学を辞め、田舎暮らしを始めようとしています。野菜を本格的に育てたことはありません。今から45年前、山梨県に住んでいました。山裾に建つ古びた借家から、夕焼け小焼けの赤とんぼを歌い終われば到着するようなところに、我が家の畑がありました。おやじは農家出身です。牛を飼っているような本格的な農家の末息子で、戦時中も食べ物には困らなかったと聞いています。そのころ、すなわち山梨時代、私は勉強に明け暮れ、嘘です、魚釣りに没頭し、おやじの趣味をほとんど手伝っていませんでした。私は専ら収穫係り、夕ご飯前になるとトマトやナス、キュウリを採りに行きました。時々、馬鈴薯(ジャガイモのとこです)堀を手伝わされましたが、素人に畑を荒らされるのが嫌だったのでしょうか、あるいは本当に私に勉強して欲しかったのでしょうか、おやじが野菜つくりを強いることはありませんでした。

 

関東でマンションに住んでいた時に、プランターで野菜を育てていたかもしれません。秋になって、かれた茎や葉の処分に困ったことをなんとなく覚えています。関東で、それも都心に近いところで、畑を持つのは大変です。もちろん、土地代のことを言っています。それから、毎日毎日、世話をするのも大変、いや不可能でした。バイオの実験は時間がかかるので、ほとんどの時間を研究室で過ごしていました。畑で野菜を育てることなど、到底できません。

 

今、住んでいる家の裏には、ご先祖様から受け継いだ畑があります。かなり広い上に、奥の方に井戸が付いています。この前、恐る恐る中を覗きました。なぜ、恐る恐る覗いたかというと、村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」が好きだからです。中は、水で満ちていました。おかげさまで、底の方でじっとしている人はいませんでした。畑の方は、いろんな人がこれまで野菜を育てていました。しかし、それらの方々は高齢になって、だんだんと畑から遠のいていってしまい、去年くらいから野菜が実るというよりは、雑草のオアシスとなり果てていたわけです。

 

最初にすべきこと、はい、草刈りです。緊急事態宣言の解除に近い良く晴れた日に、最初の草刈りを挙行しました。大げさに言うな、草刈りは3日間を要しました。慣れてない、草ぼうぼう、そして広いからです。その時の危ない草刈り中年の写真が、これです。まだ、それほど暑くなかったのが幸いでしたが、それでも3日間ですから、かなり重労働であることはご理解いただけると思います。自粛でなまった体の目を覚ますのに、最適だったと思います。

 

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草にまみれた、私

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エンジン付きの草刈り機を使います

大きく育ちますように

さらに、6月に入ってからもう一度、草刈りを行いました。そんなに伸びていなっかったので、その時は2日間で終了することができました。そして、カレイを釣るための餌のミミズを探したときに、将来畑となるであろう場所を少し掘って、雑草をどかしておきました。これらの前準備のおかげで、雑草のオアシスのほんの一部は、畑へと徐々に変貌していたわけです。昨日、梅雨のわずかな晴れ間を利用して、家内と一緒に選んだピーマン、ミニトマト、そしてナスの苗(合計850円)を購入しました。ミミズ採りのために作られた土の穴へ、我々夫婦にとっては高額な850円を出費した高級苗は、一つ一つ丁寧にその穴の中にいざなわれたわけです。最後に水をやり、そして家の片隅に転がっていた、支柱を立ててやりました。

 

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貴重な苗です、100円のナス

自然免疫か

そういえば、数日前に家内の友人のFacebookを見て見てよと、せがまれました。なんか嫌な予感がしたので多少拒みましたが、その無駄な抵抗は瞬時に崩れ去り、半強制的に文面と写真を目にすることになりました。割と長かったので要約すると、夫婦2人で夏野菜を作っていてそれが収穫になりました、最初は二人で始めましたが奥さんは虫が苦手なので窓を挟んで旦那さんの姿を見守っている、そんな内容だったと思います。その時は、それほど深くFacebookのことを考えませんでした。しかし、今朝のジョギング中に気が付きました。これは、私の家内の自然免疫系発動だ。そんなこと書かれてもわかりませんね、説明させていただきます。自然免疫とは、我々ヒトが細菌やウイルス感染の被害をできるだけ最小限に抑えるための防御メカニズムです。ウイルスのタンパク質や核酸が細胞に入り込むと、それを異物とみなして排除する、あるいはウイルスをやっつけるためのインターフェロンという自家製の薬を放出するメカニズムです。すなわち、事前に、それも自然に防御するわけですね。というわけで、多分家内は無意識だと思うのですが、将来訪れる状況を察知して、友人のFacebookを私に強要したのだと思います。そういえば、家内も虫が嫌いといつも言っていました。私だって、嫌いだ!

 

今年の梅雨は、本当に梅雨らしい梅雨です。その中で、ぐんぐんと成長して下さい。そして、出費の850円が戻ってくるくらいの収穫をよろしくお願いします。

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大きく育ってください